質問 政府の失政により、長期化する不況はますます深刻化しており、明るい先行きは全く見えません。得に建設産業は、「重層下請構造」など、他産業と比べてさらに深刻な仕組みと問題を抱えています。このような状況の犠牲になっているのは、労働者や下請事業主です。国では、昨年度から「公共工事の入札及び適正化の促進に関する法律」を施行し、この法律の成立にあたり、国会での付帯決議の中に「元・下関係の透明性の確保や、建設労働者の賃金・労働条件について、実行のあるものとすること」が盛り込まれました。しかし、不況の影響は中小建設業者の経営や労働者の労働条件へのしわよせとなり、とりわけ、労働者の賃金引下げ深刻な問題となっています。このような状況を改善するためにはどうしても一定のルール、少なくとも公共工事の現場で働くすべての労働者に対して、賃金の最低基準額が保証されることが必要です。この事を条例化して実効性のあるものにすることによって建設現場で働く労働者の生活が保障され、地域の景気回復にもつながることとなります。現在、公共工事の発注・受注は「工事を行うために必要な費用を合計金額でのみ契約する方式」になっており、この中は賃金や福利厚生費・材料費などが一緒に計算されています。このことは受注した企業が、その費用をどのような内訳で使おうと、構わないということであり、市は、実際の現場労働者の賃金決定に対して何の責任も負っていないということになります。しかも幾重にも重なる下請け構造で成り立っている建設産業は末端の下請け業者は正当な利益を生み出しにくい仕組みになっており、力の弱い労働者の賃金が削られていくことになってしまいます。労働者の賃金を確保する「公共工事における賃金確保条例」が制定されればこのよう状況を断ち切ることができます。さらには労働者の賃金を別枠で保証し「聖域化」することにより中間に入って利益を抜くだけの業者が入り込めなくなって、幾重にも重なる下請け構造はなくなっていきます。また、労働者の賃金部分については競争の対象から外れることから各業者は一定のルールに則って適正な競争を行うことが出来るわけですから事業主にとっても自身の経営を安定させるための重要な手助けとなるわけです。「公共工事における賃金確保条例」制定に関しての市の見解をお聞かせください。
答弁 そのような制度の創設は難しいですが、今後とも公共工事の適正な請負関係確立に努めてまいります。
コメントする